暴走機関車SP号

思いつくままにいろいろ書くよ!

【日記】ミス・サイゴンを観た【感想】

ご縁が合ってミュージカルに行ってきました!

うおお……!!
感激に打ち震えております……。
ミュージカルを観たのは小学校の社会見学以来。これが実質はじめてのミュージカルかも


感想↓
帝国劇場すげえ……近くに城がある……と思ったら皇居でした。早く来すぎたので日比谷公園を散歩していたのですが、そこに子連れで歩くお父さんの姿が。雲の上の生活がここに存在している……自分の場違い感に震えるが、こちとら非日常を味わいに来たので間違ってはいない(何が)。
いざ帝国劇場の内部へ入ると、ドーンとおしゃれな赤が飛び込んで来ます。ワインレッドってやつですね。私の好きな色でございます。そして溢れる人人! 客席もほぼ満員でしたよ。さすがミス・サイゴン×帝国劇場。
二階の席だったのでオーケストラピットが見えました。開演前に音合わせ(?)をしているのですが、その雰囲気が好きなんですよね。全ての音がそれぞれ違う曲を練習してるんだけど、ボーン……と重なった音が一つの曲に聴こえる。まあ、私は音楽に造形がないからそう思うのかもしれませんが。
そわそわしてるうちに開幕! 混み合う人、賑わう売春宿、そして歌! ミュージカルってワクワクしますね〜。熱気が楽しい!
しかし正直、愛を叫び合ったりするのは台詞が良いな……とか台詞が絶妙に歌になったりするのはちょっと気になりました。でも途中で慣れました。ミュージカルってそういうものか、と思っちゃえば気にならなくなりました!
なんというか、ミュージカルは楽しいシーンとの親和性が高いなって思いました。いろんな人が出てきて踊ったり動いたりして、すごくワクワクします。バラードとか、ゆっくりした雰囲気は映画のミュージカルの方が好きだなあとか思いましたね。
舞台のミュージカルと映画のミュージカル……どう言い分ければ良いんだ?
天使にラブソングを観たくなりました。アマプラで観れるかなぁ。
最初のうちは「映画の方が好きかも」と思いながら観てたけど、終幕の頃には完全に引き込まれていました。生じゃないと分からない熱気……。何よりカーテンコールの熱が最高だった。話が終わっちゃった寂しさとか、面白かったーて感動とか、こんな展開なのかとか、もうなんか全部ひっくるめてドカーンと拍手喝采。溢れるものに名前をつけるだけ野暮ってものですよ。夢中で拍手しました。手がジーンとしましたね。一度幕が降りて、ending!って感じのオーケストラが入ります。気分はこの道我が旅聴いてる時のワクワク感です。再び幕が上がって、手を繋いで万歳→お辞儀をする役者さんたち。我ら観客は立ち上がって拍手です。この一体感を言葉にするのはなんと難しいことか……なぜならぴったりな形容詞がないからです。でも、言葉で言い尽くせないものに、心を動かす何かがある。カーテンコール最高! またミュージカル観たいなって思いました!

帰りはコメダに寄って夕飯。お腹空いてたのでエビカツパンを頼んだけど、デカい。もうちょっと小さいと思った……。コメダさん相変わらずの逆詐欺っぷりです。
そして山手線の向きを間違えあたふた……都会怖い。

とにかく最高だった。観終わってからの余韻が染みる。“次”が楽しみだ♪

ミュージカルはとても良かったんだけど、唯一残念だったのが、隣の人がうっさかったことですかね。観劇中のおしゃべり、袋ガサガサ、前のめり、ダメ絶対っ。

【日記】語り継ぐという鎮魂

NHKさんの100分de名著をちまちま見てます。
今日みたのは『太平記』の第三回!
そこで、すごく心惹かれる話がありました。

時は乱世。武士による泰平へ世が移ろう中、公家の人々は嘆き足掻き、武士と争い合う。
そんな時代に死んでいった人たちが、悪霊になっていろいろ悪さするんですよ。
でもそれって、ある意味優しいことかも、と伊集院さん。
人間の中に悪が最初からあるんじゃなくて、ちょっと正気じゃなかったなーって時は悪霊のせいだったかもしれないし、と我々生者は考えることができる。
それに悪霊になった人たちも、次は誰に入り込んで悪さしてるんだろうと思うことで、その人の生の続きを考えることができる。
時々やってる昔の人のドキュメンタリー番組とか伝記とか、それに触れた我々の誰かの正義に触れて何か新しいことがおきて、その古い人は思い出されて、鎮魂になる。
(筆者うろ覚えにつきかなり意訳してます。気になる人は番組を見てください!)


私こういうの大好きなんですよね!
意思の連続とか、語ることによる鎮魂とかそういうの好きなんですよ。
この雰囲気を出すの得意な作家さんが上橋菜穂子なんですよねえ!
上橋さんの『守り人シリーズ』の外伝に、風と行く者ってのがあります。
これがまさに語り継ぐことによる死者への鎮魂なんですよ。
ある流浪の民がいて、彼らは普段旅芸人として食を繋いでいます。しかし彼らの本業は、各地に立つ慰霊碑の前で歌い踊ること。彼らは死者の名前を一人一人呼びながら舞うんですね。気怠い午後に、高原に行って吹き抜ける風を感じたい……という人におすすめの話! ほんと、言葉では言い尽くせない良さがあるよ〜。やはり、『理論化できないこちとは物語らなければならない!』ですな!

あと、私が好きな一首を引用しておく!
滝の音は 絶えて久しくなりぬれど
名こそ流れて なほ聞こえけれ
これも通ずるものがあると思う! 意思が脈々と受け継がれて行く。大きな河の流れのほんの一部に過ぎない我ら、されど河の行く末たる大海を夢想することができる。
目を閉じれば宇宙の広大さを感じることだってできちゃう。人間の良いとこだと思います。ああ!今日という日が歴史に残りませんように!

認知特性チェックやってみた【本田40式認知特性チェック】

本田40式認知特性チェック!
みんな、認知特性ってご存じですかね。例えば、「18×34を計算してみて」と言われたとしよう。
さあ、暗算で計算してみてください。



ふむ、どういう風に計算したでしょうか?
数字のまま計算した人、頭の中でひっ算を思い浮かべた人、声をだして計算した人……まあそれぞれありますよね。
これが、認知特性です。情報を認知する際、知覚で、音で、エピソードで、どういう風に処理するかって人それぞれなんですよ。
それで、どの部分が得意か教えてくれるのが“本田40式認知特性チェック”です!

私はこうなりました~

 

ふむ、私はラジオ情報が強いっぽいですね。これは聴覚優位ですねえ。人の声聞き取るの苦手だって自覚あったんで、これは意外でした。

でも、二番目に高い辞書記憶は納得ですねえ。これは言語優位です。それも、言葉や意味を辞書通り丸ごと覚えるタイプの記憶です。まさに、キャラクターのセリフやらお気に入りの格言やらを覚えてるのはこいつの仕業でしょうな。そして、この名言を頭で反芻するときに、聴覚を使用してるんですねえ。

本を読む時、頭の中で音声流れるか流れないか、みなさんどうでしょう? 私はずばり、流れるタイプの人間です! 聴覚で認識してる証拠かも。あ、でも流し読みする時は音声置いてけぼりのスピードになるんで音は聞こえないです。その分理解度は低いですな。

あと、授業態度。私が本気で授業を受けるとき、ほぼその時間中メモ取り続けます。先生の言ったことを自分なりの言葉でめもる。この瞬間、だいたい学習終了。こういう態度で挑んだ授業の内容は今でも覚えてたりしますねえ。まあそこまで熱意をもって取り組む授業は興味のある単元だから、きっちり復習してるってのもあるんですけどね。

とにかく、耳で聞き言葉でまとめるが私の超絶得意分野のようです。逆に3D記憶はダメダメですねえ。これ、地図の位置関係とか年表とかの記憶力なんだと思うんですけど、まさか苦手とは。地図を見るのは得意分野だと思ってたんでちょっとショックですね。なので、声に出して道案内するつもりで地図の場所を覚える方が良いのかもしれません。そういえば、複雑な響きの地名も割と難なく覚えられる方だったので、辞書記憶は得意なんでしょうねえ。あと、キティちゃんのアニメセリフ丸暗記してたりしたね、子どものころ。

自分の特徴が一つのところにまとまってく感じ、いいですね。

 

自分もやりたーいって思った方、下のリンクからLINEに登録してできますよっ

www.cogtem.com

【つぶやき】なんで旅するの?へのアンサーへアンサー/私ENTPなんだあ【走り書き】

There are those of us who like to venture to the unexplored,
those of us who go out there with a sense of wonder,
bridging worlds, finding delight in our differences.
If you are one of us and you want to explore more of this great planet,
we are ready to take you there .

はい、いきなり英語ですみません。
これをお読みのみなさんには、私の英語学習モチベーション維持にお付き合いいただきます。
これはEnglish Centralという英語学習サイトに“自分の世界を広げる”っていうタイトルで載ってた動画ですねえ。
日本語訳

 

我々の中には、未開の地へ冒険したくなる人がいる。
そんな不思議な感覚を持つ私が……
世界を繋ぎ、違いの違いに喜びを見出す。
もしも、あなたが彼らの中の一人で、この偉大な星をさらに探索したいなら、
私たちはその準備が出来ている……。

これ、ターキッシュエアラインズの宣伝動画らしいんですけどね。なんかかっけーって思って選んだんだけど、見てるうちにもやっと思いついたんですよ。この動画の批評が、大学受験の国語の問題になりそうじゃないですか?
とても西洋的な考えだ……未開の地とは失礼な……未開の地を上から目線で切り拓こうという傲慢な姿勢が、この地球に負荷をかけてる……。みたいな。
大学受験の国語の問題って、そーゆーの多いじゃん。ふーん。思ってた以上にどうでもいい内容になってしまったー。まあ日記だからいいか。

こうやって、その瞬間どうでもいいと思ったものも、後で振り返ってみると得難い経験になってたりするわけですしね。これが後で得難い経験になるかはわかんないけど、とりあえず保存しておきましょう。

それだけー

 

ENTPの脳みそ

注、思いついたことぐちゃぐちゃ言ってるだけ。

人に魅せることを考えてない文章

対話することで思考がうまくまとまるタイプです。今日もレポート書くのに、しかるべき機関で相談したらめっちゃすんなり終わりました。まあ人によるってのはわかるんですけど。ここで、MBTIの話でもしますかねえ。

わたくしENTPなんですけど(この記事見るとなんとなくわかると思う)、も~Neが暴走するの何のって。

ちなみにNeとは、いろんな概念を見っけてくる機能ってイメージでよろしく。Nは概念で反対はS(感覚)。eは外向きで反対はi(内向き)って言えばなんとなくしっくりくるでしょう。来ない人もいるかも?Nが第4機能の人はきついのかもなあ。第4機能っていうのはねえ…うん、前書いた気がするからそっちを見てくれ。

あーまた暴走しとるー。このブログの名前も”暴走機関車SP号”なんだけど、そう、一回こうやってスイッチ入ると止まんないんですよねえ。このモードの時は対話不能です。おとなしくこいつの話が終わるのを待ちましょう。

ちなみに(Neユーザーは絶対この言葉好きだろ)、Tiも割と強めです。最初INTPだと思ってたくらいには強い。語のブログを几帳面に見てくれてる人ならわかるかもしれんが、非常に理屈っぽい。しかし、ENTPの理屈は理屈は理屈でも”屁理屈”なんですよねえ。議論に、言葉に、穴が見えちゃうんですよー、Neを使うと。そんで、その穴を埋めるように理屈をこねる。だから、正しいとか正しくないとか、自分の信念とか嫌悪とかそういうんで理屈を言うんじゃないのですよ。ただ見えちゃったから言うだけ。なので発言の矛盾は多々ある。自分がどう思ってるとかじゃないんだ。思いついたから言うだけ。この暴走機関車についてこれるヤツ、いないだろ(笑) ついてきたら怖いわ、逆に。こっちはどこに、向かってんのか自分でもよくわかんないんだもーん

あ、だからレポート結構苦手だったりする。できそーとか言われるけど、マジでそういう勘違いやめてくれ。書いてるうちに話が飛んでまとまらないとか日常茶飯事すぎて、レポート練習の単位落とさないかめっちゃ心配ですよまったく。だからこそ、アシスタントさんに協力を仰いだのですが。使えるもんは使っとけー!の父の言葉に、最近生かされているよ。使っておくぜ、使えるもんは。

ここまで真面目に読んだ人、あんたすげえな!

【読書感想】永井路子の『炎環』を読んで/【日記】鎌倉殿のタイトル回収・映像の世紀みたよ

「あるときは激しく、あるときは陰湿に狡猾に、いのちの炎を燃やしつづけて」権力への道を登ろうとした。

それが、『炎環』が炎環たるタイトルの理由だ。
人が、歴史を作る。否、人は歴史に巻き込まれて生きている。小さな川のせせらぎがやがて連なり大河になるように、小さな歯車の身じろぎがやがて巨大な歯車を動かすように、我々は歴史という巨大な流れにほんの一部分に過ぎない。烏合の衆の人生は、歴史では語られない。歴史の教科書に載る人たちはほんの一握り。何億の人生は、忘れられていく。そんな矮小な我々も、何億のドラマがあるのだ。
激動の時代鎌倉。『炎環』で描かれる鎌倉時代は、最初の武士政権という喜劇でも、血や裏切りという悲劇でもない。ただそこに、命があったというだけだ。
人生は――ともすれば歴史も――膨大な時を孕んだ宇宙の前では、無数の星の一瞬の瞬きに過ぎない。ああしかし、だからこそ人は美しい!

+++++
鎌倉殿の13人、みんな見ました~? ようやくタイトル回収しましたねえ
頼朝がいたから、なんだかんだおさまってした坂東の武者たちも、鎌倉殿という一つの目標を失い、泥沼の交戦になる……。かろうじてあった秩序が瓦解して、最初の犠牲者は……梶原景時、君に決めた!
でもほんと、一つ一つのはかない命の瞬きって感じで死んでいくよね。諸行無常の鐘の音が鳴り響いてるよ

そうそう、『映像の世紀』って番組をご存じですか? 今週は「キューバ危機」を取り扱ってるんだけどさ
いや、ほんと誰か一つ食い違ってたら地球滅んでましたよ。もしもケネディじゃなかったら、もしも”Hero”がいなかったら、もしも、もしも……。一つでも歯車が狂っていたら、今こうして人間を語っていることもなかったでしょう。必然と呼びたくなるような偶然に感謝を。小さな歯車が、地球という巨大な歯車を動かした最たる例かもしれない。NHK+で見れるから、気になる人は見ておけ!

【超ネタバレ感想】『炎環・黒雪賦』がめっちゃ好き~解釈は後からつけるもの~【鎌倉時代】

こんにちはっ!
最近『鎌倉殿の13人』にハマってるよーん

そしてとうとう入手いたしました! 永井路子氏の『炎環』です! 本屋3軒回ってようやく見つけましたw

「炎環」永井路子 表紙

「炎環」永井路子 表紙


激動の鎌倉時代を、いろんな人物の視点で書いてあるショートな短編長編だ!
わたくしは読みかけだが、『黒雪賦』めっちゃ気に入ったので、気持ちが新鮮なうちに書こうと思ふ! タイトルにもあるけど、スーパーネタバレなので気を付けてね。歴史にネタバレもへったくれもあるのか?という気がするが

「黒雪賦」を読んで~解釈は後からつけるもの~

主人公は梶原景時。この人がチクリ魔なせいで義経は死んだ、とか嫌われがちな人物。しかし、後世の肩書こそあてにならんものはないのである。ドラマの曽我兄弟の顛末がそれを教えてくれたではないですか!
そう、梶原景時は、誰よりも源頼朝の心を理解していたのだ! 自分の隣に並び立ち得る者への嫉妬――たとえば法皇さまに気に入られた義経とかね――を誰よりも理解していたのだ。そして頼朝の代弁者になっていた。

さあ、百聞は一見に如かずだ。とりあえず見てほしい。
息子、梶原景季とこんな会話をするシーンだ。

景時「九郎殿、蒲殿、安田父子、広常、重忠……これらを嫌われたのは御所なのだ。わしはそれに従ったまでのことだ。(中略)御所は疑り深いお方だった。しかもそれを明らさまには口に出されぬのだ。わしはそれを知って代りに言い、代りに行ったにすぎぬ。(中略)御所がわしにこうせいと仰せられまわけではない。いやむしろ、御所はいつもわしのする事に気が進まぬながら同意する、というふりをされた」

……はい。これが梶原景時だ。この後梶原一族は京へ向かう途中に死ぬ。景季はとても悔しがりましたよ。なぜ、ここまでやる必要があるのか? 讒言者と誹りを受けてまで、なぜ父は汚れ役を引き受けたのか? そんな景季の疑問に、景時はこう答える。

景時「景季、そうではない。ただわしは御所に気に入られようとしてそれをしたのではない。それが武家の世を創るためにしなければならないことだったからだ」

うぐ……っ!
結果的に鎌倉幕府武家の世の先駆けになった。結果的に、罪のない武士が景時の声により死んだ。
そう、歴史を学ぶ我々は物語の結末を知っている。しかし登場人物たちは、自らの死を持って舞台を降りなければ、物語の幕が閉じることはありえない。そして、舞台を降りた後に観客席に行くことは許されないのだ。自分がヒーローか悪役かなんて、最期までわかんないんですよ。
何が言いたいかと言うと、梶原景時も生きるのに必死だったってこと。後世から、卑怯者として嫌われてる彼も、その当時は平家の世のエキストラにすぎ無かったのだ。景時が嫌いな君は歴史をわかっていない、なんて安いことを言いたいわけではないぞ。役柄の解釈はいくつあってもよいのです。


さて、筆者がめっちゃ刺さったシーンで締めよう。ラストシーンなので、ネタバレしたくない人は見ないように!

(死に際にて)かっと目を見開いた彼は、黙って雪原の眩しい拡がりに対している。
が、彼の見ているのは残り少なになった今もなお、(鎌倉軍の追手に対して)勇敢におめき叫んで死闘を繰り返している郎党たちの姿ではなかったようだ。雪原のかなたにある鎌倉幕府――自分がいのちをかけて創ったにも拘らず自分の手から抜け出してしまったそれ――いまも遥かにそりたつ鎌倉幕府の幻影を、そのとき彼はみつめていたのかもしれなかった。

【日記】その日私は何かを踏んだ

蒸し暑い夏の日だった。
昼下りの帰り道、私はじわじわと照りつける日差しに耐えながら黙々と足を進めていた。
ふと、顔を見上げると、梅雨明けの青空に厚みのある雲が乗っかっている。綿あめみたいだ、なんて思ったのは、近くにおかしのまちおかがあったからだろうか。
そうだ、そもそも何故私は空を見上げたのだろうか? 天に向かった意識を再び大地に戻す。なんだ、この違和感は。右足だけが、大地から見放されてしまったかのような強烈な違和感がある。いや、むしろ地面に囚われてしまっている。違和感から逃れるように大地を踏み締めるごとに執拗に右足を絡め取られる。
くそ! なんなんだ!
最悪の展開を予想しながら目線を下へ向ける。
ぬちょ。
ガムだ。よかった、アレじゃなくて。でも許さないからな! ガムは包んで捨てましょう!


それだけ〜